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2015年12月30日

月曜日を表す



一週間の始まりとなる月曜日は、どこか重苦しい憂鬱な雰囲気がある。
月曜日どころか、日曜日の夕方に放送される「サザエさん」のテーマが流れてくると、
「 また一週間か」という気になるともいわれる。

小説家の開高健氏に『青い月曜日』と題する著書がある。
その中で”ブルーマンデー” を、宿酔(二日酔い)と表現している。
確かに日曜日などに深酒をすると、
月曜日は、一層 ”ブルー” になるのは間違いない。
二日酔いの朝、シジミのみそ汁を飲みながら、
つくづく、もう二度とこのようなバカな呑み方をするまいと誓うのだが、
回復してしばらくすると、また、無茶が始まったりする。

イギリスの小説家・チェスタートンは皮肉屋として知られている。
彼の言葉に、「大酒呑みも禁酒家も同じ間違いをしている。
どちらも酒を麻薬だと考えている」とある。
麻薬とならないようなキレイな呑み方をしたいところだが、
「♪ちょいと一杯のつもりで呑んで~」となってしまうところがある。
深酒の末、二日酔いとなった場合には、
蜂蜜レモンやミネラルウォーターが効くとされる。
口にするものばかりではなく、
「二日酔いに効く音楽」というものもあるという。

ジャズやロックは、呑むときにはいいが、回復するためには、
まったくの逆効果となる。
そこで、アドレナリンを抑えるはたらきのもの。
すなわち、王道で言えば、”モーツアルトの楽曲” とも言われるが、
臨床実験から、
チャイコフスキーの”交響曲第6番” がいいそうだ。

ベッドに横たわったまま、
心地よく感じる音量で、じっくり聴いていると心が添うほどに馴染んでくるという。
チャイコフスキーのこの曲の原題は『悲愴 (Pateticheskaya)』。
さすがに ”ブルー” な状態とは、しっくり、いきそうだ。  


Posted by 樂典久已 at 16:03Comments(0)

2015年12月23日

フェリーニは



アカデミー賞特別名誉賞ならびに4度のアカデミー賞を取るなど
「映像の魔術師」と呼ばれている。私の好きな映画監督でもある。

代表作としては、『道』『道化師』『フェリーニのローマ』『アマルコルド』
などが挙げられる。
『ローマ』や『アマルコルド』は自身の自伝的映画。
アドリア海に面した小都市リミニで生まれ、少年時代を過ごしたが、
『アマルコルド』は、ここを舞台にした映画。

春を迎える火祭りから、翌年の火祭りまでの一年を少年の目から垣間みた
オトナの世界や少年らしさのあらわれた映画作品。
『フェリーニのローマ』も、自身の過ごした体験を縦軸にとった話。
地下鉄工事で掘り出した極彩色の壁画が空気に触れて
みるみる色を褪せさせるところなどは、一つの映画らしい手法とも言える。

ただ、このフェリーニ自身が語った経験や経歴は、
自叙伝もあるがかなり信憑性を欠いている。この辺が面白い。
そのあたりのことを、彼を良く知る人物は、彼は生まれつきの”ストーリー・テラー”。
すなわち、虚構の語り手なのだという。

彼にとって、現実と虚構は対立関係ではなく、むしろ、
”現実”を少ばかり補填するものなのだという感覚を持っていたようだ。

彼の作品に登場してくるものは、
詐欺、ペテン、嘘、騙(かた)り、そして道化師。
そういった人物は、一様に、一癖(クセ)も二癖もある。
許し難い性癖の人物たちが、憎めない”愛すべき人物”として描かれている。
こんな姿が、さすがにイタリア人と思わせるところがある。

そう言えば、先日まで話題になっていた”耳の不自由な作曲家”を騙った、かの人。
嘘、騙りがあからさまになり、今は、話題にも上らなくなったが、
言ってみれば、同様な一癖も二癖もある人物。

同じ虚言の性癖を持っているようだが、
とてもフェリーニの映画に出てくるような”愛すべき人物” には、なれそうにない。  


Posted by 樂典久已 at 18:06Comments(0)